シングルの壁を乗り越える
テレビ中継などでゴルフの大会でよく見かける光景の中に、プロは自分の歩測を一番重要な手がかりとして距離感をつかんでいることがあります。
表示された距離やキャディの意見はもちろん参考とはするのでしょうが、あくまでも自分の歩測を一番の目安とするわけです。
これを実現するトレーニングの一環として、通常の歩く場合には1歩が1ヤードとなる幅で歩いていると考えられます。
アマチュアゴルファーの場合には、この歩測による距離の把握の方法に頼りすぎるとプレーを遅延させる原因になってしまうのでいつでもできることではありません。
しかし、プロゴルファーが正確な距離感をつかもうとしている姿勢は大いに参考にすべきでしょう。
距離表示の植木を単純に信じるのでなく、グリーンから2、3箇所の何らかの目印を見つけて逆算してゆく方法もありますし、自分の判断で正しい距離感をつかむべきなのです。
人間の遠近感というものはグリーンの背後が開けているか、森や山が近くまで迫っているかによっても違ってきたりするものです。
そうした錯覚を極力少なくしていく努力がシングルプレーヤーに近づくひとつカギとも言えるでしょう。
プロの距離測定はあくまでも参考に止めておくべきであることは、最近は特にスロープレーが目立っていることに原因があります。
周囲の人に迷惑をかけず、スピーディーにプレーすることも非常に重要なことになってきているわけです。ゴルフとは紳士のスポーツとも言われますから、まずはマナーに充分留意すべきでしょう。
ボール近くに立つ
シングルの域に達しようかというレベルのゴルファーにとっては、当たり前と感じるかもしれませんが、ボールとの距離が意外にも重要なアクションといえます。
ロングアイアンにしろショートアイアンにしろ、ボールの近くに立つことは体のより近くでヒットすることになりますから威力のあるボールが打てるということの意味は大きいのです。
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もちろん、ある程度の技術的な裏づけも持ち合わせているレベルであれば、その技術に加えて強烈なスピンをかけてグリーンのカップを積極的に狙う意欲を見せるべきでしょう。
ボールから離れて立って、脇やひじを体側から離したアドレスから生まれるゴルフスイングでは、かんじんのヘッドスピードのアップは到底期待できないでしょう。
100メートル以内はピンをデッドに攻める
ショートゲームでボールを高く上げてピタリと止めるに適したクラブは、ピッチングウェッジということになるでしょう。
このクラブを駆使して、グリーンオンさせるだけでなく、カップを攻めることがシングルになるためには必要であると言えるでしょう。
100メートル以内の残りの距離ともなると、ピッチングウェッジの充分な守備範囲といえるでしょう。
バックスピンをかける技術も既にマスターしたシングルプレーヤーに近いゴルファーなら、カップをデッドに狙ってゆきたいところです。
さらにまた、応用性の点でも優れ、抜群の機能性も併せ持つピッチングウェッジを得意なクラブにしてしまうことを是非目指すべきとも言えるでしょう。
単にパーオンを狙いやすいショートアイアンという意味ばかりではなく、カップを積極的に狙う有力なクラブであるという認識を持つべきなのです。
フックやスライスを打ち分ける
たとえば、前方に立ち木が待ち構えていて、めざすグリーンをダイレクトに狙えないという状況に対応しなければいけないシーンもあるでしょう。
シングル目前というゴルファーなら、インテンショナル・フック、インテンショナル・スライス、つまり意図的にボールを打ち分けるテクニックも身につけておきたいところです。
その場合にポイントになるのはスタンスです。両足のつま先の線が飛球線と平行に構えるスクェアなスタンスがストレートなボールを打つための基本であることがまずは前提条件です。
ここから、フックボールを打ちたい時はクローズドスタンスに構え、スライスボールを打ちたい時はオープンスタンスに構えて打つとよいのです。
都合3通りのスタンスを使い分けることで自分の打ちたい球筋を選ぶことが可能になるわけです。
目標に対して正しい判断を下して、両足つま先の線を錯覚しないで正しくセットすべきなのです。
ボールの位置は、フックの時はインサイドアウト、スライスの時はアウトサイドインの軌道上になるようにするのがポイントになります。
コントロールショット
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残りの距離が短くなってくると、フルショットは難しくなり、どうしても力を抑えたコントロールショットがメインになってきます。
アマチュアゴルファーなら、この場合にはインパクトの力をコントロールすることで調節する人が少なくありません、これはミスの原因につながります。
場合によっては予想もしなかったシャンクが飛び出すことすらあるのです。そのため、あくまでも手打ちに依存するのではなく、体全体を使ったショットがどうしても必要となります。
クラブを短く握って、バックスイングを小さく抑えること。そしてダウンブロー気味に打ち込んで、フォロースルーでは右ひざを送り込んでバックスイングと同じ大きさにとることが重要です。
コンパクトなゴルフスイングでしっかりと打ち込んでやることで、ボールには適度なバックスピンもかかってくるものなのです。バックスイングの大きさでコントロールするということが大切になります。
パンチショットはインパクト即フィニッシュ
パンチショットが有効なシーンは前方に梢がおおいかぶさり、その下をくぐってグリーンを狙いたいような時です。
低い弾道になりますが、バックスピンもかかってくる止まりやすいボールが打てるでしょう。
ボールを心持ち右足寄りにセットして、スタンスは狭くすることです。グリップは左足もものあたりで止める感じにして、インパクトしたら即フィニッシュという感じです。
ボールの先の芝草を深めに削り取ることになるでしょうから、手首をしっかり固定していないと、そのショックに負けやすい点に注意しましょう。
風を計算に入れたショット
風の強い日のゴルフスイングとしては、ハンドファーストのショットで低い弾道のボールを打てば影響が少ないでしょう。
しかし、いつでも低い球を打てばよいというものでもありません。単にロフトを殺したショットの飛距離を理解しているというだけでは充分ではありません。
前方の状況によってはアゲインストの風に対して高い球で攻めなければならないことも出てくることでしょう。
ハザードを越えるように、風向と強さを計算した上での、グリーンを的確にとらえるピッチショットが必要となるケースもよくあるのです。
正しい風向とボールヘの影響を正しく判断し、その上前方の状況に応じた攻め方が自在にできるレベルになってこそ、シングルプレーヤーの道も近くなると心得ましょう。
フォロースルーについて
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インパクトポイントをずっと見続けることが左体側の壁をより強固にすることになりますから、シングルへの道の近道と考えてください。
飛球線の方向にクラブヘッドを低く長く出す要領でインサイドに大きなフォロースルーをとることが重要なのは言うまでもありません。
そのイメージで振り抜くことがきれば自然なリストターンもあわせて行なわれるでしょうし、リストターンを意識しすぎると左に引っかけるミスが多発するのです。
なお、このフォロースルー初期段階では、ボールの置かれていた地点をむしろしつこいくらいにずっと見続けてやる意識が必要です。
ヘッドアップを防ぐ意味もありますが、頭を残すことで左体側の壁がさらに強固なものになるという意味も含まれます。
打球を見たい気持ちから頭を左に移してルックアップしたり、ヘッドアップになると、この壁は崩れてしまう危険性が生じてきます。
シングルプレーヤーのフィニッシュ
シングルプレーヤーのフィニッシュとしては左足一本で立てるような安定したフィニッシュのことです。
インパクトした後にクラブヘッドを低く長く放り出すようなフォロースルーをとることは前述したとおりですが、これが充分な体のターンを呼びこんで、腰が飛球線に正対するよいフィニッシュの形に結びつくわけです。
リストターンに関しては腰の高さの付近で終わりとして、左脇をしめて左ひじが折られて、高く大きくクラブは振り上げられることになります。
グリップのポジションとしては左耳の横くらいになる程度です。体重移動が完全に行われたフォームになれば左あしの靴の鋲が見えて、右足の裏が飛球線方向と互いに向き合う形となるでしょう。
つまり、左足1本で立ってもぐらつかない状態になるのです。後方に倒れそうになったりふらふらと動くフィニッシュはシングルプレーヤーを目指す人のフォームとしては避けたいところです。
憧れのアイアンショット
シングルの壁を乗り越えることを夢見ているゴルファーにとって、ボールの先にあるターフを、薄く長く取るプロのアイアンショットを見れば憧れを抱くと思います。
とりわけフェアウェイで、大きなワラジのようなターフがスパッと切り取られて飛んでいくシーンには、非常にカッコ良く見えますし、アイアンのミスも少なくなります。
そんなショットを打つためにはコツがあることを理解しましょう。軸・手首・体重移動がダウンブローに要求されます。
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プロゴルファーなみに、ボールの先のターフが取れるアイアンショットを打つには、ヘッド軌道の最下点をボールより左足寄り、つまりターゲットラインの先に持ってくることが大切なとことです。
これができるようになると、自然にボールの先のターフが取れるダウンブローのアイアンショットになるでしょう。
スイング軌道の最下点を、ボールより左足寄りに持ってくる技術としては、体重移動を抑えて、回転軸となる背骨を中心にターンすることです。
また、ハンドファーストでボールをとらえることも必要となります。
そして、左足にしっかり踏み込んでからインパクトを迎える感覚をマスターすることが求められます。
多くのアマチュアゴルファーがアイアンショットでミスをしてしまう原因は、ボールを遠くへ飛ばしたいという意識が強すぎるからだと言われています。
飛ばしたいと意識することで特に考えなくてもバックスイングを大きく振り上げる状態を生み出して、軸が右ヘブレてしまう可能性が高まります。
軸が右側にブレるせいで体重も右サイドに残ってしまいことになり、ヘッド軌道の最下点も右にシフトしてしまい、結果的にはボールの手前をダフりやすくなるケースが増えます。
こうした点を修正する対策としては、軸をズラすことなく回転する意識を持つことが必要です。
それから、左足の踏み込みも大切です。インパクトしたタイミングで体重が右足に残っている状態では、やはりクラブヘッド軌道の最下点がボールの手前になりがちです。
そのため、ダウンブローでボールをとらえることが難しくなりますから、インパクトでの右足体重を修正する必要があります。
そのためには、しっかり左足を踏み込んでからスイングする感覚をマスターしなければいけません。
アイアンでも飛距離を出そうという意識が強いゴルファーは、軸が右にズレやすいという説明をしましたが、その他にも、バックスイングの際に右へのウエートシフトを意識している人も同じ結果を招きます。
また、左肩を深く捻転させようと意識している人も、同様に軸が右ヘズレやすい傾向があると言えるでしょう。
しかし、軸が右にズレてしまえば、インパクトまでに軸を元のポジションに戻すことができない限りは、クラブヘッドはボールの手前に落ちてしまいます。
結果的には、ダウンブローに打つことは難しくなります。一旦、右にズレた軸を元の状態に戻すのは、非常に困難なことです。
そのため、可能な限りウエートシフトを抑えて、その場で体をターンさせるスイングを意識することが必要になります。
最初は、アドレス時のボール位置は、スタンスの中央よりボール1~2個ぶん左足寄りにセットしましょう。
そのボールのセット位置の近くを軸に考えて、体を回転させる意識を持つべきです。
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そして、飛球線の後方側から見たときに、背中のラインから頭の先までがまっすぐになるようにアドレスするようにしましょう。
アドレスの時点で背中が丸まった状態や、首を前に倒した頭が下がった状態の場合、バックスイングで体を回転させると頭は右に動きやすくなります。
そして、軸が右にズレたり傾いたりすることを引き起こしますから注意することです。
このアドレスができたら、右肩を真っすぐ背中側に引く感覚のテークバックで軸をズラすことなくクルリと回転するイメージでスイングしましょう。
これが、シングルの壁を乗り越えるためのひとつの対策ともなるでしょう。