100ヤードをミドルアイアンで練習する
100ヤードをショートアイアンで練習する方法を前回紹介しました。今度はミドルアイアンとりわけ5番アイアンでのトレーニング方法について少し説明しておきたいと思います。
同じアイアンクラブでもショートアイアンとは勝手が違うと感じる人も多いでしょうが試してみてください。
5番アイアンで想定される飛距離は、平均的な男性ゴルファーの場合で150~160ヤードくらいだといわれています。
しかし、初めからこのデータ通りの飛距離を出そうとしても、ほとんどの方によっては無理な話になるでしょう。
たとえば、練習場で自分の隣りのボックスの手馴れたゴルファーが5番アイアンを打っていたとします。
そして、その弾道とスイングの迫力を、初心者の方がそっくりそのまま再現することは経験上絶対に不可能だと言えるということです。
そこで、5番アイアンでも目標を100ヤードぐらいに設定していくことをお勧めします。
150ヤードと100ヤードの表示板を比べてみますと、ひと目でその差が明らかに大きいと感じるはずです。
5番アイアンを手にして「150ヤードを打つ必要がある」という感覚と「たった100ヤードを打てば済む」という心理的な差は、非常に大きいものであるはずなのです。
ここで生まれる「心のゆとり」が、結果的にみれば5番アイアンをマスターしていくための、大切なポイントになります。
そのメリットとしては、小手先に頼らないゆっくりとしたゴルフスイングを行うことができるようになります。
打ち急ぎになったり、パワーばかりが入って大振りするようなミスショットも出なくなります。
ボールを上から鋭く打ち込み、尚且つ振り抜いていく本来のアイアンショットのゴルフスイングを、この段階できちんと身につけてしまいましょう。
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目標を100ヤード先に限定して5番アイアンで練習することは、ある意味で地味なトレーニングですし、非常に辛く感じるかもしれません。しかし、パワー全開にするのは、もう少し先に延ばしましょう。
ゴルフスイングのスピードについて
アマチュアゴルファーの非常に目立つミスの一つに、スイングのスピードが途中で変わってしまうということがよくあると言われています。
バックスイングは非常にゆっくりなのにもかかわらず、そしてダウンスイングに入った途端に、突然スピードを増すといったゴルフスイングがそれに相当します。
特にこのやり方はミドルアイアンのショットでは大きな誤りなのです。静の状態であるアドレスから少しずつクラブヘッドのスピードがアップしていき、インパクトにかけて最高のスピードになるのが理想というのはおわかりでしょう。
テークバックの動きはプロゴルファーの場合でも比較的スローと言えるでしょう。
トップオブスイングでは、一瞬ゴルフクラブの動きは止まった状態が訪れます。その直後にはテークバックのときと同じように徐々にクラブヘッドのスピードが増していってインパクトの瞬間に向かうのです。
しかし、アマチュアゴルファーのゴルフスイングの場合には、どうしてもテークバックだけはやたらとスピードが遅いのに、ダウンスイングに入ると突然クラブを振り回すと言う感じでスピードをつけようとする傾向が強いものです。
イメージ的には、アドレスからフィニッシュまでゴルフスイングのスピードは一定と考えるほうがどちらかといえば正しいのでしょう。
つまり、コンスタントなスピードでクラブを振るというような感じを持っていないとミスショットが増えてくることにつながるのです。このあたりは、ゴルフ練習場で注意してトレーニングしましょう。
物理的な面からクラブヘッドの動き方を考えると、ヘッドスピードは徐々に増してインパクトに向かうわけですが、そのクラブを振る当人の感覚としてはいつでも同じようなヘッドスピードでクラブを引き上げてから、そして引き降ろすような感じを持ちたいものです。
そうしたフィーリング、もしくはタイミングをとった時に、初めてジャストミートの感触が得られるのでしょう。
バックスイングをゆっくりするというわけでもなく、またダウンスイングを速くするというのでもなく、どちらも平等に同じスピードで振るような感覚です。
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結果的にみれば、プロでもアマでもバックスイングはゆっくりになり、ダウンスイングはどうしても速めになります。
その現実はさておいて、フィーリングとしてのスイングを覚えておきたいものです。
スムーズなゴルフスイングというのは、表現を変えればクラブを振る両腕の速さ、つねにコンスタントなレベルに保っておくということと同じ意味だと考えても構わないでしょう。
もしくは体の回転速度といったものを、コンスタントにすると表現しても良いでしょう。
スイングの途中で突然スピードを変化させたりすることは、そもそも無理のある話なのですが、それをあえてやろうとしてしまうのがアマチュアゴルファーの特徴なのです。
リズミの整った状態でクラブヘッドを振った場合、クラブヘッドは、それ相当にすごいスピードでボールをはじくことになります。
ただ、それを実現しようとして、恣意的にゴルフスイングのスピードを途中で変化させるようなことは望ましくないと言いたいわけです。
あくまでも成り行きでスピードは変わったりするし、体のごく自然な回転運動がもたらす結果として、強いインパクトが生まれると考えたほうが間違いが少ないのではないでしょうか。
ヘッドアップは絶対に避ける
どんなにテクニカルに優れたゴルファーでも、場合によってはヘッドアップをおかすことがままあります。これはプロゴルファーも例外ではなく、当然アマチュアゴルファーでも同じことです。
ボールをよく見て打つということはミドルアイアンに限らずどのゴルフクラブについてもいえることでしょうが、とりわけグリーンを狙うようなミドルアイアンのショットにおいては、重要なポイントとなってきます。
米国の著名なプロゴルファーであるジャック・ニクラウスが自分のゴルフスイングの調子が悪くなったと感じた時、必ずチェックしてもらうのがジヤック・グラウトという有名なコーチでした。
ニクラウスがグラウトに自分のゴルフスイングの欠点を分析してもらった場合、一番多く指摘されるのはボールを見ていないということだという話があります。
つまり、あれほどの名プレーヤーであっても、場合によっては目を離してボールを打つことがあるということなのです。
また、自分では気が付かないうちに、目を離してインパクトをしてしまうようなスイングになりがちなのがゴルフというものだということができるのかもしれません。
「ヘッドアップ」と人は簡単に言いますが、非常に数多くの種類に分類できます。大雑把に行っても完全にボールから目が離れてしまうタイプのヘッドアップもありますし、部分的に目がボールから離れてしまうヘッドアップもあるでしょう。
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正しいアイアンショットをするためには、インパクトした後もボールのあった場所をしっかりと見続けるようでなければいけないとはよく言われることでしょう。
そうしたゴルフスイングが実現できた時に、やっと体がフルターンしてクラブヘッドの振り抜きができると言い換えても良いのかもしれません。
しかしながら、アマチュアゴルファーの大部分はインパクトからフォロースルーにかけて、右目を使ってちらっとボールを見るようなゴルフスイングをよくします。
このようなゴルフスイングではヘッドアップしたのと大きな違いはありません。
右目でボールをほんの少し見るようなフィーリングでインパクトを迎えたのでは、体の大部分はターゲット方向に向いていることになります。
過小評価するにしても、顔の半分は上がりかけているということは言えるでしょう。顔が上がりかけていながらもなお、視線だけでボールをつかまえた状況なわけです。
これでは正しいゴルフスイングになっているとはいえないでしょう。
当然ですが、この状況では左肩はオープンのフォームになり、左腰は開きぎみですし、右肩を突っ込むようなフォームでボールを打ってしまうことになるでしょう。
ヘッドアップを矯正するには、何通りかの方法がありますが、一番取り組みやすいのは小さなゴルフスイングをして、しっかりとフォロースルーをとることが確かでしょう。
そして、くれぐれもボールのあった地点に顔を向けておくことをしっかりと意識することを忘れないようにしましょう。
こうしたトレーニング方法を繰り返して何度も行っていくうちに、ヘッドアップをしないということがどんな感覚なのか、更には下を向いてボールを打つということがどんな感覚になるのかがおいおい本当の理解が深まってくるはずです。
ヘッドアップというフォームの乱れをおこしてしまうと、それまでの一連のゴルフスイングの基本部分がすべて台無しになってしまいます。
場合によってはタイミングが狂って早くなってしまうこともあるでしょう。ヘッドアップはアイアンショットに限らずすべてのショットの敵です。
どんなに上達してからもヘッドアップだけは、つねに注意する必要があると言っても過言ではないかもしれません。
身も蓋もありませんがゴルファーに限らず人とはよくものを忘れるものだともいえるでしょう。
ぜひヘッドアップという悪習慣にだけは常に気を配っておきましょう。そんなゴルフを目指しましょう。
ヘッドアップをしないためには、ゴルフ練習場でチェックをする事が欠かせません。
ラウンド中に調整するのは土台無理な話ですから100ヤードをミドルアイアンで打つ練習の時にも気を配りましょう。
ミドルアイアンで±5ヤードを調整する
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1本のアイアンクラブで飛距離を打ち分けるとき、グリップの長さを調整して打ち分けるのがやさしい方法です。
これは、ロングアイアンでも同様のことが言えます。
5ヤード飛距離を伸ばすのであれば、グリップエンドぎりぎりの位置で握って、ボールのセット位置は通常通りにします。
ミドルアイアンの場合は、ピンまでの距離が比較的短いため、より正確に距離を打ち分ける必要性が高く、具体的には±5ヤードを調整することになります。
より詳細に打ち分けるには、グリップ調整の他にボール位置も調整して飛距離をコントロールすることになります。
例えば、グリップを短く握っただけでは5ヤード短くできないと判断された場合は、ボールのセット位置を少しだけ右足寄りに入れます。
これで、さらに飛距離を短くします。1本のクラブでその前後の距離を打ち分けられるレベルになれば、コースマネジメントの幅がかなり広がります。
実際に1本のクラブで飛距離を打ち分ける場合ですが、それぞれにフィニッシュの位置が異なり、意識として軽く振るのか力一杯フルのかで、スイングにも違いが出てきます。
結果的にスイングスピードに違いが生まれているわけですが、意識的に変えていくという訳ではなく、あくまでもグリップの長さとボール位置で調節するという考え方です。
例えばピンがグリーンの奥に切られていた場合、フルスイングに近い距離を打ちます。その理由は、この状況下では奥に飛ばすことは絶対に避けたいからです。
絶対にそのピンまでの距離以上飛ばない番手のクラブで打つということになり、1つ番手を上げて普通にスイングして、仮に飛んでしまったら危険だという考え方がコースマネジメントなのです。