アイアンクラブの本来の役割とリズム
ショートアイアンは、ボールをグリーンにのせるクラブ
ショートアイアンは、スコアメイクの上で避けて通れない重要なゴルフクラブのひとつです。しかし、アベレージゴルファーの人の中には、不思議とこのショートアイアンで飛距離を欲ばる傾向が見られます。
ショートアイアンは、飛距離を欲ばるクラブだという認識は根本的に間違いです。的確にグリーンオンを果たして、さらには正確にボールをピンに正確に近づける道具だと考えるべきものです。
ゴルフスイングをマスターする際には、このショートアイアンの機能と特性をはっきりと頭の中に入れておく必要があることを理解しましょう。
9番アイアンで130ヤード飛んだとか、150ヤードも飛ばすことができたといった飛距離自慢をしているようでは、上級者と呼ばれるレベルのゴルファーには到底なれません。
誰しもが少なからずクラブを手にすれば飛距離というものに対して欲が出てしまいがちです。しかし、飛距離を伸ばそうという気は全然無くしたら間違いなくスコアアップに結びつくことは確かなのです。
とりわけ、ショートアイアンなどを手にした場合などは、コントロールが第一優先です。
そのため、自分の力の70パーセントから80パーセントの力に抑えてスムーズなクラブ運びをすることが、ショートアイアンの基本です。
ショートアイアンを手にしていながらも目いっぱいのパワーで打つということは、ほとんど考えられないことなのです。
このことをしっかりと頭の中に叩き込んでおいてからプレーに臨まないと、スコアメイクの上で大きなミスを犯すことはほとんど確実でしょう。
ショートアイアンの場合は、クラブヘッドのサイズが大きく、ロフトもかなりついているクラブだと言えます。
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これが意味するところは、あくまでもソフトなボールをグリーンに対して打ち出せるような設計がされているということです。
当然のことなのですが、このようなゴルフクラブを振り回すようなことをすれば、どこへボールが飛んでいくかわからなくなります。
ほとんどの場合、左方向へのひっかけのミスになるか、あるいはダフリやトップなどのミスショットが待ち受けていることでしょう。
ショートアイアンを使用する場合には、どんなことがあってもグリーンにボールを乗せることが第一目標です。
ピンに寄るかどうかは、二の次と言えます。ともかくグリーンにボールを乗せられるかどうかがショートアイアンを使用する場合のキーポイントです。
そのため、ゴルファーの感覚としてはショートアイアンをバッグから引き抜いた時点で、絶対にグリーンにのせるという意識だけをしっかりと持つベきです。
また、そうした意識を持ちながらトレーニングを積んで、確実にピンに向かってボールを打っていけるだけの基本的なテクニックをマスターしなければいけません。
ショートアイアンで無理に飛距離を出そうとして、他人との飛距離を比べ合うような考え方をもっているようでは、ゴルフ上達はまず絶対に期待できません。
過去に多くの人が、それを経験して間違いを犯してきているのです。飛距離を犠牲にすることになっても、方向性を重要視するゴルフスイングを身につけてしまえば、試合でのスコアが面白いくらいよくなっていくでしょう。
体とボールの関係
ボールからどれくらい身体を離して立つべきなのかはゴルファーにとって大きな悩みの一つなのかもしれません。
基本的には素直に直立して、少しお辞儀をする形で前傾して、グリップエンドとお腹との間に握りこぶしで一つないしは一つ半くらいの隙間ができる姿勢が理想的だとされています。
ボールからこれよりも離れて立ち過ぎることも良くありませんし、またくっつき過ぎることも避けるべきでしょう。
ショートアイアンでボールから離れて立ち過ぎる姿勢からスイングすると、まずかなりの確率でひっかけボールになりやすいでしょう。
また、時には、インパクトでクラブフェースを開く形になってシャンクボールが出ることもありえます。
ショートアイアンの場合には、どちらかといえば近過ぎるくらいの位置でボール対して立ったほうがミスが少ないでしょう。
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身長のある人は、思った以上にボールに近く立つことが可能ですが、小柄な人は、ついついスタンスを広めに取る傾向があって、その上ボールから遠く離れて立ちやすいように見えます。
その体勢からフラットなスイングの軌道をとってしまうようなら、益々もってボールは左方向へのひっかけボールになるか、もしくは右方向への大きなすっぽ抜けが待ち受けていることでしょう。
スランプに陥りかけた瀕死のゴルファーともなると、ボールと体の間隔が広くなるのがよくある話です。この点に関してプロであっても、アマチュアゴルファーであっても共通した傾向と言えます。
上級者と呼ばれるプレーヤーや当日の調子のいいプレーヤーというのは、ボールに近く立つことができているものです。また、近くに立てるような感覚がないと、ナイスショットはなかなか出せません。
ボールから離れて立つ度合いが強いほど、バックスイングでは左手をロールさせて、クラブフェースをオープンにした形でのスイングプレーンになりやすいのは確かです。
ボールから離れて、それでもクラブフェースをスクエアにキープするということは、実はかなり難しいことなのです。どうしても手先に頼った操作が増えてしまって、その結果として手打ちになってしまいがちです。
ボールに対しての立ち方としては、遠過ぎるよりは近過ぎるほうが結果的には望ましいということです。
このことを理解したうえでピンチになればなるほどボールに近く立つことを自然にできるようにした方が良いでしょう。
とりわけ、基本的なショートアイアンのスイングをマスターする段階においては、思いきって近く立ってみることをお勧めします。
グリップエンドとお腹との間隔は握りこぶし一つか一つ半にすることをしっかりと守りましょう。これさえ厳守すれば大きなミスショットにはなりにくのです。
ゴルフスイングのリズムは単純にする
アマチュアゴルファーの数ある間違いの一つに、ゴルフスイングを細切れにして考えるという点が挙げられます。
テークバックの形、バックスイングの右腰の位置からトップ・オブ・スイングにかけてはこんな形といったように、ゴルフスイングを分断した形で考えてしまうことが多いでしょう。
上級者ともなるとそんな形でゴルフスイングを考えているわけではありません。仮に、そんな形でゴルフを覚えようとしたら、ゴルフスイングは極端に複雑なものになってしまい、マスターすることができる人はほとんどいないでしょう。
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ゴルフスイングは常に一連の流れの中で行なわれなければいけません。
つまり、一度スイングが始動したら、あとはよどみなくフィニッシュヘと続いていかなければなりません。
アベレージゴルファーはアドレスに入った時点からトッブ・オブ・スイングまでの間に、いくつものことを頭の中に思い浮かべてしまって、それを同時に実行しようとしがちです。
さらに、トップ・オブ・スイングからインパクトにかけて右腰をこんな風に動かすべきだとか、クラブヘッドをインテンショナルに遅らそうとか、面倒くさい動作を実行しようとします。
また、それができなければナイスショットは打てないのではないかというように考えているフシがあります。
見方によっては、確かにゴルフスイングをバラバラに分解して考えたほうが、理解するにはわかりやすい面もあることでしょう。
しかし、理解することと実行することの間には大きな隔たりが存在します。
頭の中で思うことももちろん大切なことですが、実際にゴルフクラブを振る時には、一気にフィニッシュまで振らなければいけません。
テークバックのタイミングで必要以上のことが脳裏をよぎると、それから先のタイミングがまったく崩れてしまいます。
とりわけ、トップ・オブ・スイングにおける切り返しのタイミング、つまり、バックスイングからダウンスイングに移行する時のタイミングがキーポイントになってくるのは確かです。
しかし、いくつものことを考えながらトップ・オブ・スイングまでやっとたどり着いたとしても、肝心な切り返しでのタイミングが全然合わなくなるでしょう。
その結果、身体だけがターゲット方向に流れてしまったり、もしくは手だけが早く下りてきてしまったしてバラバラのフォームになってしまいがちです。
この間違いから抜け出さない限りシングルゴルファーの領域に到達することはとうてい叶わないのです。
できれば、ワン・ツーくらいのタイミングで、クラブをより単純に引き上げて引き下ろすことを目指すべきでしょう。
もちろん、個人差がありますからワン・ツー・スリーであっても構いません。何はともあれ、そういった単純なリズムを作ってゴルフクラブを振ることがゴルフスイングの上達に欠かせない大きなポイントです。
バラバラの動きをつぎはぎしてつなげて、一本にまとめるというような考え方をしていては、ゴルフスイングはなかなか上達しません。これは何もショートアイアンに限った話ではありません。
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